
上の写真はリコイルスプリングを外した状態での実験です。スライドを後退させて、ゆっくりと
手動で前進させると、この位置でファイアリングピンのノッチがシアに引っ掛かり、スライドは
一旦停止します。
この状態でのファイアリングピンの位置は・・・・
↓

ここです。スライドが前進しなくなるのは、ここでファイアリングピンがシアに引っ掛かる為です。
ここから更にスライドを前進、閉鎖するには、ファイアリングピンスプリングを圧縮しなければ
ならないのです。
また、一番上の写真の、トリガー位置を見て下さい。最初のページで述べた様に、発射或いは
空撃ち後、トリガーとトリガーバー(シア)は、引っ張りバネにて、この状態に引っ張られています。
スライドが写真の位置から更に前進する事で、トリガーとシアも元の位置まで前進させるのです。
↓

リコイルスプリングを組み込み、上と同じ要領で手動でゆっくり前進させると、先に説明した位置で
スライドの前進に若干抵抗が掛かるのが分かります。 しかし、リコイルスプリングの方が遥かに
強力なので、結果的に・・・・
ファイアリングピンをハーフコック位置まで圧縮する。
トリガー&トリガーバー(シア)を元の位置まで戻す。
と、なります。
つまり、ハーフコックとトリガーの戻しは、ファイアリングピン・スプリング&トリガースプリング VS?
リコイルスプリングの微妙な力関係の差で成り立っているのです。ですからもしも、ファイアリング
ピン・スプリングを強力な物に変えたり、リコイルスプリングを弱い物に変えたりすると、閉鎖不良を
起こす可能性が大きくなります。
余談ですが、以前友人がグロックに自作のチャンバーコンプを取り付けました。効きの良いチャンバー
式のコンプは、スライドの後退力を弱める効果がありますから、当然リコイルスプリングを弱くします。
(1911系やその他多くのSAマッチガンはそうする) しかし、ここで上記のトラブル、閉鎖不良が発生
したのです。こうなると、ファイアリングピン・スプリングやトリガースプリングも、比例させて弱くしな
ければなりません。すると今度は不発が多発!グロックがオリジナルで加えているコンペンセイターは
バレルに穴を開けたポートコンプ(スタビライザー)ですが、これはチャンバー式にすると、先の理由で
閉鎖不良を起こす危険性があるからだと思われます。ポート式コンプは、スライドの動きには影響を
及ぼしませんからね。(この辺は銃雑記のコンペンセイターを参考)
では、説明を終わりますが、まとめると
グロックは、スライド閉鎖時にファイアリングピンの圧縮行程の半分程を行い、残りをトリガーによる
ダブルアクションで行う・・・・・と言った感じでしょうか?
追記
スライド閉鎖時のコッキング状態を示すのに、70数パーセントと言う具体的な数字がある様ですが
これは全体のストローク(フォール)から見た数字であり、スプリングを圧縮するストロークから言えば
実際には「50%程の追加圧縮」・・・と言う事になります。前ページで述べた様に、ファイアリングピン
最前進位置、手前数ミリはテンションが掛からない遊び区間ですからね。落下距離と圧縮距離は別
と言う事です。
関連ページ
グロックのディスコネクターの仕組み
(ブラウザで戻って)