さて、
デスバレーを横断し、178番から190番に戻った時には日が暮れており、そこから更に70マイル
程走った場所が宿泊地です。途中には殆ど何も無く、街燈も無い峠道となります。真っ暗闇の中を
ヘッドライトだけを頼りに進む事暫く・・・
・・・
これはデスバレーを走っていた頃から、気になってはいたのですが、電圧計の針が、どうも12Vの
目盛り真上あたりで元気が無かったのです。普通はヘッドライトを点灯しても、13Vくらいは指して
いるのに。
峠を幾つか越えて、辺りが真っ暗闇となり、気温が急激に下がってきた頃、遂に目盛りは11Vまで
下がってしまいました。
まあ、社外品の電圧計なんてアテになりませんからね。無視無視・・・
しかし、今度はヘッドライトが急激に暗くなってきました。メーターの照明も針が辛うじて読める程。
もう希望的な気休めは言っていられません。完全に充電系が死んでいます。ヤバイ!これはかな
りヤバイ!路肩に停めようにも、峠道なので危険です。既にライトは目前をボンヤリ照らす程度。
バッテリーの電圧がある程度以下に落ちれば、コイルが火花を飛ばせなくなり、エンジンが止まり
ます。充電系が完全にダメになったとすれば、何とか節電して走行距離を伸ばさなければなりま
せん。一番電気を食うヘッドライトを点けていては、エンジンが止まるのは時間の問題です。街の
中なら迷わず近くのスタンドかコンビニに停めますが、ここは峠の真ん中です。たすけてとっしー!
と言っても、とっしー居ませんから、仕方なく後方のエボを先行させ、気合を入れてヘッドライトの
スイッチOFF!
怖eeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!
真っ暗です。暗黒魔王参上です。先行のテールライトがちょっと見えるだけです。油汗を垂れつつ、
何とか明かりのある場所に停車。速攻で充電系をチェック!
ダメです。レギュレーターの取り付けボルトが一本折れています。配線に問題なし、ヒューズもOK。
どうやら、取り付けボルトの折れたレギュレーターが振動して、中が壊れた模様。ICレギュレーター
は機械式と違って、出先では直せません。「カプラーが振動で外れた程度であれば・・・」などと言う
希望的な予測も踏みにじられ、深刻な事態に。
それにしても・・・
何で、よりにもよって、こんな場所でこんな時刻に!?故障するのは仕方ないけど、タイミング悪杉
ですよ。私が一体、どんな悪い事をしたと言うのでしょう!呪いか!?何かの呪いかこれは!?
あ!!
コイツか!?
コイツの仕業なのか!?
↓
↓
↓
↓
死神さん(笑

誘ってやがる・・・
マジか?勘弁してくれ。死ぬのはおろか、小道迷子みたいに立ちゴケするのも御免です。めェェェェ〜
はい。冗談はともかく(でも本気でコイツ↑をちょっと疑った)、この寒さでは野宿は厳しいし、コヨーテ
もウロウロしています。日本なら野宿は簡単ですが、この辺では危険すぎ。何とか走れるところまで
走るしかありません。恐らく、あと60マイルくらい。行くしかねェ〜
しかし「エボ先行の走行」では危険すぎます。ちょっとでも離されたら真っ暗闇ですし、私のエンジンが
止まっても向こうは気付きません。暗闇の中に、時速数十マイルで取り残されたら・・・事故まっしぐら。
そこでエボは後ろにつき、ハイビームで照らしてもらう事にしました。これなら、もし私がエンストしても
何とか路肩に停める事が出来るでしょう。
それでも危険な事には変わりありません。自分の影が重なるので、時々センターラインを見失う事も。
写真は撮れなかったので(当たり前じゃ!)、その時の視点を絵にしてみました。
↓

エンジンが動いてる時間は限られている訳ですから、ゆっくり走る事も出来ず、イラストの状況で時速
50マイル平均ですよ。グネグネ曲がった峠道を。路肩の外は崖。マジ死ぬかと思った・・・
でも、私は夜目が利くので助かりました。余談ですが、私が空挺部隊で狙撃手になったのは、夜間射撃
大会にて異常に良い成績を出したのがキッカケでした。暗い所でも、少しの光があると結構な範囲まで
見えるんですよ。今は大分衰えたとは思いますが。
そして、すごく鮮明な流れ星を見ました。かなり長い時間「ピカー!」って感じ。あんなのは初めて見た。
「無事、着きます様に」と祈ろうか「今からでも結婚出来ますように」と祈ろうか、迷ってたら流れました。
途中で街やコンビニがあるかと期待したのですが、結局何も無かったですね。宿までの距離が異常に
長く感じられました(実際60マイルは遠いよ)。宿に着く頃には、エンジンも青息吐息。プラグの火花が
弱いので、高速でもブスブスとカブリ気味で、アイドリングも出来ない状態。目的地のモーテルが直ぐに
見つかった(通り沿いだった)のが救いでしたね。
そして無事到着!ああ!とっしーありがとう!
まあ、無事に着いたから笑い話ですが、こんな事を武勇伝の様に語るつもりは全くありません(笑)。
愚行ですね。利口な人なら、バイクは捨てて通りすがりの車に助けを求めるとか、まあ、そんなところ
が賢明でしょう。私はバカですから。あはは!

ビール飲んでダウンです。
良かった。コヨーテと野宿しなくて本当に良かった!

見て下さい!この清清しい景色!昨夜の地獄が嘘のよう!生きてるって素晴らしい!

モーテルがあるのだから、少しは「街」なのかと思っていましたが、何にもありません。