ボルトとボルト・キャリアー

右がボルト・キャリアーです。下部のレールがレシーバーに嵌って前後しますが、途切れたレール部分から、
泥土などの異物が VVV 溝を通って上に逃げるようになっています。レシーバーに触れているのは、レー
ル部分と、その上のブルーが剥げた所(写真で少し擦れている部分)だけです。つまり、上方のカバーを外し
ても作動する訳です。AK系も同様ですね。「だから何?」と言われるとアレですが、万一カバーが大きく変形
してキャリアーがスタックした場合でも、カバーを外してしまえば取り敢えずは使用続行できる!みたいな?
例えばG3のプレス製レシーバーは、変形の影響をモロに受けますからね。それに比べれば上記のメリットは
満更でもない?

ボルトは下部がティルトする閉鎖方式なので、ロータリー・ボルトのような回転運動はせず、角張った形状を
しています。ボルト・フェイスのファイアリング・ピン・ホール周辺に、黒く丸い跡が見えますが、これは単なる
プライマー隙間からの汚れで、別部品になっている訳ではありません。掃除してから撮影すべきでした・・・。

弾薬は英国製7.62mmNATO弾 L2A2







横から見ると・・・

こんな感じです。キャリア後部に付いた細い棒は、ストック内のリコイル・スプリングまでを連結する
ロッドです。かなり細いですが、スプリング・テンションを伝達するだけなので大丈夫なのでしょう。
ボルトからファイアリング・ピンが派手に突き出していますが、これはキャリア後部の穴を貫通する
為です。

赤点線で囲った部分ですが、これがキャリア内部の凹に噛み合って重要な動きをします。以下の
写真で説明します。







キャリアと絡み合うボルト

なんかエロいタイトルですが↑、実際そんな感じです。かなり深くエンゲージしているので、写真の
状態から持ち上げても、ボルトは下に落ちません。両者を分離するにはコツが必要なくらいです。

で、写真は閉鎖解除状態です。ボルトとキャリアは、この位置関係にてレシーバー内を往復します。
ちなみにファイアリング・ピンは、引っ込んだ状態で見えません。つまり閉鎖前に万一ハンマーが
落ちても、暴発はしないと言う事です。

そして、前進し切って閉鎖すると・・・








ボルト後部が下方に強制降下

赤円で囲った部分が降下して、レシーバーのクロス・ボルト(リインフォース・ボルト)に噛み合います。
これで目出度く閉鎖となります。閉鎖するとファイアリング・ピンの後部が顔を出し、打撃可能の状態に
なります(※印)。

余談ですが、キャリアとボルトを分離するには、写真の位置でボルト前方を下に落とす感じで傾け、
前方に引き抜きます。抜けるときはアッサリ抜けますが、かなり揺すらないと抜けない事もあります。
ファイアリング・ピンを少し突付くのがコツです。







強制閉鎖

ボルト後部が降下するのは、引力とは別にキャリア内部の傾斜によって強制的に行われ、その後
キャリアが閉鎖位置まで前進すると、ボルト後部は絶対に持ち上がりません。簡単に持ち上がったら
ロックが外れて大変ですからね。

この動作は、キャリア内部の溝によって行われます。ボルト&キャリアが前後する閉鎖解除の状態
では A の窪みにボルトの ※ 印部分が収まっています。なのでボルト下部(ロックする部分)は
持ち上がった状態を維持できます。ボルトが前進して閉鎖位置に来ると、追ってキャリアが更に前進
し、B の部分が傾斜に沿って ※ 部分に乗っかります。キャリアはレシーバのレールに嵌ってい
るので、上には動きません。従って ※ 部分が上に持ち上がることは出来なくなり、「閉鎖」となる
訳です。閉鎖を解除するには、キャリアを少し後退させてやれば、今説明した閉鎖のプロセスを逆に
辿って解除されます。つまり・・・

「ボルト単体では閉鎖を解除して後退する事は出来ないが、キャリアが後退すれば、閉鎖は解除
され、ボルトも追って後退できる」

・・・となります。これは殆どのガス・オペレーテッド機構に共通する仕組みです。試しに、銃口を
上に向けて立て、マズルからクリーニング・ロッドを通し、ボルト・フェイスを押しても絶対に閉鎖解除
されず、ボルトは後退しません。キャリアを先に後退させる事によって、ボルトの閉鎖が解かれる訳
です。同じ閉鎖機構でも、この点がリコイル式とは異なります。リコイル式は、弾頭発射の反作用に
よってバレルとスライドを結合状態のまま後退させて、閉鎖を解きます。なので、フレーム(レシー
バー)を固定してさえいれば、マズルから棒を突っ込んでも閉鎖解除されるのです。但し、バレルを
掴んで棒を押した場合は、閉鎖解除されません。同じ要領にてバレルを掴んで棒を押し、スライドが
下がるのは、腔圧をダイレクトに利用する(一部を導いて云々ではなく)ブロウバック式だけです。






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