
上段左から、戦前M1905 戦後M1905 M14(スパーを少し削ってある)
下段左がLフレームM586 右がNフレームM1917
上段の旧〜新を見比べると、ハンマー・スパーの位置が徐々に下がって行くのが分かります。
どう考えても下にあった方が使い易い(指が掛け易い)と思うのですが、初期のモデルが高い
位置にあったのはSAリボルバー時代の名残か?但しテコの原理からすれば、初期型の方が
コックに要する力は少なくて済みます(反面、引き起こしに必要な動作は大きくなるが・・・)。
モダン・タイプはコッキング動作が小さくて済む代わり、力が必要となるのでスパーを大型化、
尚且つ滑らない様に、深く鋭いチェッカーを刻んだのでしょう。

戦前モデルはDAシアーの形状が全く異なります。この改良によって、戦後モデルのDAストロークは
短縮します。戦前〜現在まで、SAでのシア溝(トリガーが引っ掛かる部分)は、写真のS矢印で示す
切り欠き部分です。その下の大きな段差と勘違いされる場合があるようですが、そうではなく、矢印
先端の細い線の部分にトリガーの尖った部分が当たり、互いに押し合う形でホールドされるのです。
ほんの小さなエンゲージなので、切れの鋭さには定評があり、CP競技などでは無改造のままで使え
る程です。(反面、SAでの暴発事故も多いが)
話が出たついでなので、脱線
トリガープルの表現にて、「軽さ」と「切れ」は意味が違います。軽いと言うのは全体に引く力が軽くて
済む言う事。切れは引っ掛かりの大小によるもの。つまり、「小さな力でズルズルと引いてズドン!」
となるのは、「軽いが、切れの悪いトリガー」反対に、「力を加える内はトリガーは微動だにしないが、
ある力に達すると瞬時に落ちる」これが「切れの良いトリガー」です。
切れが良いトリガー(或いは早いロックタイム)の事を、こちらでは「クリスプ」と表現します。S&Wの
SAはクリスプなのです。

申し訳無いのですが、手前のモダン・タイプはスパーの左右と後ろを少し削ってあります。
オリジナルではありません。まあ、それでもこれだけワイド化されていると言う事ですね。
ハンマー・ノーズ周りのクリアランスに、今と昔の仕上げの差が現れています。ノーズは
どれも可動式で、上下に可動、左右方向にも遊びがあります。これはプライマーを突いて
弾薬が発火、激しい衝撃がプライマーを通してハンマー・ノーズに伝わっても、ノーズに
遊びがあることで破損(折れる)を防ぎます。もしも質量の大きい(重い)ハンマーに完全
固定されていれば、細いノーズ部分が折れる可能性は高くなるでしょう。
またS&Wの場合、ノーズはフレームに埋め込まれたハンマー・ノーズ・ブッシング手前
に当たって、円運動から水平な前後運動に変換された後、プライマーを突きます。つまり
ハンマーは回転運動ですが、ノーズは前に向かって真っ直ぐプライマーを突くのです。
コルトのハンマー・ノーズ式モデルも同じ様に(回転→水平運動)動きますね。
この様な理由から(更には折れた際にノーズだけ交換可能)、ノーズは別部品・可動式
なのです・・・が!S&Wリボルバーでは、これももう過去の物になりつつありますね。
最新型は殆どがファイアリング・ピンをフレーム側に内蔵し、ハンマー・ヘッドはフラットな
形状です。この点に関してはコルト・パイソンが優れていたのです。(やっと褒めれた)
(とは言っても、ノーズ式でも滅多に折れませんけどね〜・・・)

まあ、この辺は仕方ありませんね・・・値段が安くなりましたから。
とは言ったものの、ここ10年くらいでS&Wリボルバーも随分値上がりしました!
私が6インチのM586を買った10年くらい前は、350ドルくらいでしたが、現在は
550ドルのタグを付けていました。「安いから仕方ない」と言うのは、今はちょっと
通用しないですね。しっかり作って下さい!
・・・
オレの収入が上がっていないだけか?ぐっすん・・・